コラム編集部
調達額の「使い道」をどう書くか——金額の根拠が伝わる書き方
「開発費・広告費」だけでは伝わらない。何に、いつまでに、いくら使い、何を証明するのかを一枚で示す方法を整理しました。

ピッチの中で、投資家が意外と細かく読んでいるのが調達額の使い道です。金額そのものより、「その金額で何が分かるようになるのか」が問われています。
本記事では、使途を書くときの考え方と、よくある書き方の落とし穴を整理します。
使途は「費目」ではなく「検証」で書く
「開発費 150万円、広告費 100万円、運転資金 50万円」という書き方は、費目の内訳としては正しくても、投資家の問いには答えていません。投資家が知りたいのは、このお金を使い切ったとき、事業について何が新しく分かっているかです。
弱い例: 開発費とマーケティング費用に充てます。
強い例: 12ヶ月で300万円を使い、協力店10店舗での有料運用と継続率を検証します。うち180万円は予約機能の改修と保守、80万円は店舗訪問と導入支援、40万円は予備費です。
後者は、金額の根拠と、次の調達で示すべき成果がつながっています。
期間と到達点をセットにする
- 期間 — 何ヶ月分の活動資金か
- 到達点 — 期間内に達成したい数字(店舗数、世帯数、継続率など)
- 判断基準 — 到達しなかった場合、何を見直すか
判断基準まで書いてあるピッチは多くありません。「3ヶ月で継続率が5割を切ったら、価格設定を見直す」と一行あるだけで、投資家は創業者の意思決定の仕方を想像できます。
金額のレンジを示すときの注意
ともしびでは、調達額を幅で示すこともできます。下限と上限で何が変わるのかを書いておくと、レンジの意味が伝わります。
- 下限:最小限の検証(既存の協力先での運用)
- 上限:検証の範囲を広げる(新しい地域・新しい顧客層)
幅だけが示され、違いが説明されていないと、「金額の根拠が固まっていない」と受け取られることがあります。
書き終えたら確認したいこと
- 使途の合計が調達額と一致しているか
- マイルストーンの日付と、使途の期間が矛盾していないか
- 自己資金や補助金など、他の資金源との関係を説明しているか
使途の欄は、事業計画の中でいちばん具体的になれる場所です。数字と日付で、次の一年の動きを示してください。
